- 嫌な人がいて毎日仕事に行きたくない…
- がんばってるのに、お給料が安くて悲しくなる…
- 転職したいけど、やっぱり今の保育園にいた方がいいのかな…
解決策を知らないために、我慢しすぎている保育士さんは多いです。
私はこれまで保育業界で5年以上働く中で、100以上の保育施設と関わってきました。その中で、退職していく保育士さんもたくさん見てきました。
そこでこの記事では、保育士さんの退職理由トップ3と解決策を解説しています。仕事を辞めたいと思っている保育士さんが必ず知っておくべきこともお伝えします。
この記事を読むことで、保育士を辞めたい人が「どう行動すればよいのか」がわかります。
この記事を読めば、きっと気持ちが今より楽になるはずです。
保育士を辞めたい人が絶対に知っておくべき3つのこと
以下の3つは、保育士を辞めたい人に絶対に知っておいてほしいことです。
- よく言われることは気にしなくていい
- 保育士さんは保育園を選べる立場
- 無理をしてまで働き続ける必要はない
よく言われることは気にしなくていい
「仕事を辞めたい」と人に相談すると、よく以下のことを言われます。
- 3年は続けた方がいい
- 年度途中に辞めてはいけない
はっきり言って、このようなアドバイスを気にする必要はないです。
3年は続けた方がいい
自分の貴重な人生を、3年も辛い職場に捧げる必要はないです。若い頃の3年と、老後の3年は価値が違います。エネルギーがあり、やりたいことも多い若い頃の3年の方がずっと貴重です。
貴重な人生の時間を、ブラック保育園に捧げていいわけがないです。
年度途中に辞めてはいけない
「年度途中に辞めてはいけない」といった法律はありません。むしろ法律では「退職を申入れてから2週間すれば保育園の承諾がなくても退職可能」とされています(民法第627条第1項)。実際、私はこれまで100以上の保育施設をみてきましたが、年度途中に退職する保育士さんも多かったです。
「年度末にならないと絶対に退職できない」といった考えは捨ててしまいましょう。
保育士さんは保育園を選べる立場
保育士さんの有効求人倍率は以下のとおりです(2021年10月時点)。
保育士 | 全職種(参考) |
---|---|
2.66倍 | 1.16倍 |
地域によって多少の差はありますが、今は保育士さんが保育園(求人)を選べる状態です。つまり、その気になればいつでも他の保育園に移れるということです。
「保育士さんが保育園を選べる立場にある」ということを知っておきましょう。
無理をしてまで働き続ける必要はない
「本当は辞めたいけど、子どものことを考えるとなかなか辞められない…」という保育士さんは多いです。このような心配をすること自体は本当に立派なこと。それでもやっぱり、あなたがつらい思いをしてまで働き続ける必要はないです。
「保育の提供」に責任をもつのは運営事業者の仕事です。保育士さんの仕事ではありません。今まで毎日の保育に精一杯あたってきたなら胸を張って辞めていいです。あなたが無理をして心や体を壊す必要はまったくないです。
つらくて耐えられないと感じたらすぐに辞める
あなたが「限界」だと感じたら、すぐに辞めましょう。あなたの限界は他の人には判断できないです。
どうしても退職を自分で伝えるのが難しいなら、「退職代行」を使うのも方法のひとつです。退職代行を使うには30,000円程度かかりますが、以下のメリットがあります。
- 相談したその日に退職可能
- 職場とのやりとりを代行してくれる
- 明日から職場に行く必要がなくなる
\ LINEで無料相談 /
保育士を辞めたい3つの理由と解決策
保育士を辞めたい理由は以下のとおりです。辞める人の約半数は8年未満の保育士さんです。
順位 | 割合 | 理由 |
---|---|---|
1位 | 33.5% | 職場の人間関係 |
2位 | 29.2% | 給料が安い |
3位 | 27.7% | 仕事量が多い |
辞めたい理由ごとの解決策を順番に解説します。
第1位 職場の人間関係(33.5%)
退職理由で最も多いのが職場の人間関係です。
私の過去の経験でも圧倒的に人間関係が理由の退職が多い印象です。人間関係に問題がある保育園は、新しい保育士さんも定着せず、すぐに辞めることが多かったです。
給与水準が他園より圧倒的に高かったのに、人間関係がメチャクチャで離職率が異常に高い保育園もありました。
解決策
解決策は以下のとおりです。
- 転職する
- 他の保育園に異動する
人間関係の問題を解決するには、環境を変えるしか方法はないと思っていいです。
今の人間関係を改善しようとは思わない方がいいです。人間関係の問題を解決するのは本当に難しいからです。人間関係の改善に取り組んで、自分がもっと傷ついてしまう可能性もあります。
転職や異動など、自分の行動で今の環境を良くする方法をおすすめします。
転職先を探すときは、できるだけ園見学へ行くことをおすすめします。残念ながら、働く前から職場の人間関係を完璧に把握する方法はなく、園見学が人間関係を少しでも知る唯一の方法だからです。
園見学の方法は以下の記事で解説しています。
【転職を成功させる】保育士さんの園見学マニュアル【チェックリスト・お礼状例文あり】
第2位 給料が安い(29.2%)
お給料で悩んでいる保育士さんは多いです。最近は国や自治体の給料引き上げ制度が充実しています。国や自治体の制度を上手に活用している保育園を選べば、今より給料アップはそこまで難しくないです。
給料引き上げ制度を活用していない保育園は、他園よりお給料が安いことがほとんどです。
解決策
解決策は以下のとおりです。
- 今の保育園でお給料アップを目指す
- よりお給料の高い保育園へ転職する
今の職場がキャリアアップ体制が整っている保育園なら、活用してお給料アップを目指しましょう。キャリアアップ体制とは、「指定の研修を○つ受ければ、役職が上がってお給料が月○円上がる」といったものです。
そもそもキャリアアップ体制が整っていない保育園の場合、働き続けても給料アップは難しいです。
ほとんどの人にとって、より給料の高い保育園へ転職する方が簡単です。具体的には、以下の制度を活用できる保育園で働くことをおすすめします。
- 宿舎借り上げ支援事業
- 給料引き上げ制度
- キャリアアップ研修
各制度の詳細は以下で解説しています。
【いつまで続く?】保育士宿舎借り上げ支援事業をプロが徹底解説!【転職を考える方必見】
【給料が安い?】保育士さんが知っておきたい給料引き上げ制度【転職を考える方必見】
【お給料アップ!】保育士等キャリアアップ研修をプロが徹底解説【転職を考える方必見】
第3位(27.7%)仕事量が多い
「保育園の仕事量なんてどこも大して変わらない」と思っていませんか?はっきり言って仕事量は保育園によって全然違います。
30分しか休憩を取れない園もあれば、1時間しっかり休憩を取れる園もあるのが実情です。
解決策
解決策は以下のとおりです。
- 今の保育園で業務改善に取り組む
- より効率的に働ける保育園へ転職する
ひとつは今の保育園で業務改善に取り組むことです。
業務改善とは、より効率的に仕事を進められるように手順や方法を見直したりすることです。例えば、これまで手書きしていた書類をパソコンで作成し、時間を短縮するといったことです。業務改善に取り組むことは、自分のスキルアップにもつながります。
もうひとつの方法は、より効率的に働ける保育園へ転職することです。効率的に働ける保育園を見分ける方法は以下の3つです。
- 保育システムを導入しているか
- 運営法人の種別
- 保育園の種類
保育システムを導入している保育園の方が、業務効率化が進んでいる可能性が高いです。
保育システムとは、保育日誌の作成や登降園管理などを行うシステムのことです。保育システムは、パソコンやタブレット端末を使って利用するのが一般的です。
保育システムを使うことで手作業の仕事が減り、保育士さんの仕事量を削減できます。ただし、保育士システムを導入していても、実際には使用していない(できていない)保育園も存在します。園見学に行くなどして、保育システムを使っているか確認することをおすすめします。
傾向として、株式会社が運営する保育園の方が業務の効率化に力を入れていることが多いです。株式会社は利益追求を目的とした法人なので、他法人と比べて「より効率的に」という意識が強いです。
反対に、社会福祉法人などが運営する保育園は、非効率的な働き方の保育園が多い印象です。社会福祉法人は歴史がある保育園が多く、家族経営も多いです。代表者が高齢のケースも多く、パソコンなどを使った業務効率化よりも手作業を重視する傾向が強いです。
傾向として、企業内保育所は他の保育園と比べてワークライフバランスが整っていることが多いです。企業内保育所とは、会社や病院が従業員のために設置している保育施設のことです。利用者の大半が会社の従業員のため、お迎えの時間も一般的な保育園と比べて早い傾向にあります。土日のイベントも一般的な保育園よりも少ない傾向にあります。
ワークライフバランスを重視したい保育士さんに企業内保育所はおすすめです。
企業内保育所の詳細は以下の記事で解説しています。
▶︎企業内保育所の求人を探すコツ3選|メリット・デメリット・種類までプロが徹底解説!
他にどんな保育園があるか知る
日本に保育施設はたくさんあります。令和3年4月の集計では、認可保育施設は全国に38,666施設あるといわれています(厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(令和3年4月1日)」より)。そして今も保育施設の件数は増え続けています。
今あなたが働いている保育園は、40,000近くある保育施設のひとつに過ぎません。何が言いたいかというと、今働いている環境がすべてだと思わないでほしいということです。
- 本当に今自分がもらっているお給料は適正なのか
- 他の保育園で自分はどのくらいお給料がもらえるのか
- 他の保育園も働く環境は変わらないのか
転職をする・しないに関わらず、これらのことを知っておくことは非常に大切です。「今の保育園を辞めても、働ける場所がある」ことを知るだけで、気持ちもグッと楽になります。
実際に転職しなくても、転職「活動」はいつでもできます。
保育士さんの転職先
保育士さんが転職する業界は以下のとおりです。
順位 | 業界 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 保育業界 | 53.1% |
2位 | 他業界 | 30.0% |
3位 | 他福祉業界 | 16.9% |
保育業界での転職
転職者の半数以上が保育業界内で転職しています。まだ保育業界での転職経験がない方は、他の保育園への転職も検討しましょう。「今働いている保育園がブラックなだけだった…」という可能性も高いです。良い保育園を選んで転職できれば今の悩みが解決する可能性が高いです。
良い保育園の選び方は以下の記事で解説しています。
【永久保存版】保育士が転職すべき保育園の選び方【プロが教える13のチェックポイント】
他業界への転職
「保育の仕事自体が自分に向いていない」と感じるなら、他業界への転職を考えるのも方法のひとつです。複数の保育園で働いた経験があり、それでも自分に合わなかったなら他業界で働いてみてもいいと思います。
保育士資格があれば、保育業界にまた戻ってくることもできます。
他業界の求人の探し方は以下で解説しています。
【準備中】
保育士をやめたい理由と解決策まとめ
保育士さんの転職理由トップ3と解決策は以下のとおりです。
順位 | 割合 | 理由 | 解決策 |
---|---|---|---|
1位 | 33.5% | 職場の人間関係 | ・転職する ・他の保育園に異動する |
2位 | 29.2% | 給料が安い | ・今の保育園でお給料アップを目指す ・より給料の高い保育園へ転職する |
3位 | 27.7% | 仕事量が多い | ・今の保育園で業務改善に取り組む ・より効率的に働ける保育園へ転職する |
子どもの命を預かる保育士さんは、本当に大変な仕事です。保育士さんがいてくれるから、安心して働くことができている父親・母親が日本にはたくさんいます。共働き世帯が増え続けている現代では、保育士さんが今の日本を支えていると言っても過言ではないです。
だからこそ、少しでも良い環境で働いてほしいと思います。今の環境があたりまえだと思わないでください。もっと良い環境の保育園は必ずあるので、諦めないでください。