- 転職したいけど、とりあえずハローワークに行けばいいの?
- ハローワークの使い方を教えて!
- 保育業界以外に転職したい!
ハローワークの上手な使い方を知らずに損をしている保育士さんは多いです。私は保育業界で5年以上働く中で、100以上の保育施設と仕事をしてきました。
そこでこの記事では、転職を考えている保育士さん向けにハローワークの使い方を徹底解説しています。この記事を読むことで、保育士さんがハローワークを上手に使う方法が分かります。
ハローワークでできること
ハローワークは厚生労働省が設置する公共職業安定所です。全国500カ所以上に設置されていて、「職安」などと呼ばれています。
保育士さんがハローワークで受けられるサービスは、ザックリ分けると以下の3つです。
- 転職のサポート
- 他業界への転職サポート
- 給付金の手続き
順番に解説しますね。
転職のサポート
ハローワークでは、転職のサポートに関する以下のサービスを受けられます。
- 求人紹介
- 転職活動の進め方の相談
- 転職支援セミナー
求人紹介
求人情報は、ハローワークだけでなく、インターネットで確認することも可能です。希望に合った求人検索を手伝ってもらうこともできます。
転職活動の進め方の相談
転職活動を進める上で、以下のアドバイスを受けられます。
- 履歴書などの応募書類の作り方
- 面接の受け方
転職支援セミナー
ハローワークでは転職活動に役立つ転職支援セミナーも実施しています。
- 面接対策
- 応募書類の作り方
- 適職探しのヒント
- ビジネスマナー
- 業界研究 など
他業界への転職サポート
他業界への転職を考えている保育士さんは、ハローワークが提供する以下のサービスを活用するのがおすすめです。
- キャリアコンサルティング
- 職業訓練の受講案内
キャリアコンサルティング
仕事選びに迷っている方向けに、職業選択のアドバイスを行うサービスです。あたなの興味・関心・職業経験などを聞いた上で、プロのキャリアコンサルタントがアドバイスをくれます。
ハロートレーニングの受講案内
ハローワークでは、ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)の案内を受けられます。ハロートレーニングとは仕事を探している方向けの「無料の職業訓練制度」です。
ハロートレーニングを活用することで、希望の転職を実現するために必要なスキル・知識を習得できます。保育業界以外への転職を考えている保育士さんに特におすすめのサービスです。
トレーニング期間中、条件を満たせば生活支援のための給付金をもらえることもあります。
ハロートレーニングの詳細は以下で確認できます。
あなたのしごと探しに、役立つスキルを。ハロトレ特設サイト|厚生労働省
給付金の手続き
ハローワークでは、失業したときにもらえる給付金の手続きも行っています。失業に関する給付金には以下の種類があります。
給付金の名前 | 給付金の内容 |
---|---|
求職者給付 | 基本手当など失業者への給付 |
就職促進給付 | 早期再就職者への給付 |
教育訓練給付 | 自主的教育訓練受講者への給付 |
雇用継続給付 | 介護休業等により雇用を継続する者への給付 |
給付金は誰でももらえるものではなく、受給条件が設定されています。詳細はハローワークに確認しましょう。
転職したい保育士さんがハローワークを利用するメリット3つ
保育士さんがハローワークを利用するメリットは以下の3つです。
- 求人数が圧倒的に多い
- 転職のサポートを受けられる
- 無料で登録・利用できる
求人数が圧倒的に多い
日本で最も求人が集まっている場所がハローワークです。ハローワークの求人数は、民間企業が運営する求人サイトと比べて圧倒的に多いです。ハローワークの求人は都市部だけでなく、地方都市の求人も充実しています。もちろん保育士以外の求人も豊富にあります。
地元の求人を探したいけど、東京のハローワークで探せるのかな?
県外の求人を探すこともできます。例えば、東京都のハローワークに登録した方も、他県の求人を探せます。
転職のサポートを受けられる
ハローワークでは以下のサポートを受けられます。
- 転職活動の進め方の相談
- 転職支援セミナー
- キャリアコンサルティング
- 職業訓練の受講案内
これらのサポートを上手に使えば、保育業界以外への転職も可能です。
無料で登録・利用できる
ハローワークの利用は完全無料です。
いろんなサービスを受けられるのに無料なんてすごい!
これだけのサービスを無料で利用できるのは、国が税金で運営しているからです。
転職したい保育士さんがハローワークを利用するデメリット3つ
保育士さんがハローワークを利用するデメリットは以下の3つです。
- 求人の質のバラつきが大きい
- 受け身では結果が出ない
- 使い勝手が悪い
求人の質のバラつきが大きい
ハローワークの求人は民間企業の求人サービスと比べると、質の低い求人(いわゆるブラック企業)が混ざっている可能性が高いです。ハローワークの求人に、質の低い求人が多くなりやすい理由は以下のとおりです。
- 求人数が多いから
- 事業者も無料で利用(掲載)できるため、中小企業の求人が多くなるから
中小企業は大企業よりも給与水準が低く、福利厚生も大企業ほど手厚くない傾向にあります。一方、大手企業は採用活動にコストをかけて、より優秀な人材を採用しようとすることが多いです。
求人数が多くても、ハローワークでは希望条件を満たした求人がなかなか見つからないという声も多いです。
使い勝手が悪い
全体的にハローワークのサービスは使い勝手が悪いことが多いです。具体的に使い勝手が悪いと感じるポイントは以下のとおりです。
- 営業時間が平日のみ
- 求人票がわかりづらい
- 求人票から確認できる情報が少ない
営業時間が平日のみ
営業時間はハローワークによって異なりますが、基本は平日の8:30から17:15までです。ゴールデンウィークや年末年始は閉まっていることがほとんどです。中には、19:00時頃までの夜間延長や土曜日に開いているところもあります。
保育園で働きながらハローワークへ通うのは、かなり大変です。
求人票がわかりづらい
ハローワークは保育専門の求人紹介サービスではないので、求人に保育の細かい情報は掲載されていません。求人票は主に文章で書かれていて写真なども使われていないため、実際に働くイメージを掴みにくいです。
受身では結果が出ない
転職でハローワークだけを利用する場合、自分で積極的に動けない人は結果が出ないです。ハローワークが求人応募やセミナー参加を強く促してくることがないからです。そのため、ハローワークを上手に活用するためには、自分から積極的に行動する必要があります。
「積極的に行動するのはニガテだから、もう少しサポートがほしい…」と思う人は、転職エージェントを併用した方がいいです。ハローワークと転職エージェントを併用することで、より効率的な転職活動が可能です。
比較項目 | ハローワーク | 転職エージェント |
---|---|---|
求人数 | 多い | サービスによる |
サポート | 弱い | 強い |
料金 | 無料 | 無料 |
使い勝手 | あまり良くない | 良い |
ハローワークは実際に訪問して利用するサービスがメインになります。一方、転職エージェントは電話やオンラインでのサービスが多くなるので、相性がいい組み合わせです。
おすすめの転職エージェントは以下で解説しています。
【保育士求人の探し方】転職エージェント活用完全マニュアル【おすすめをプロが解説】
ハローワークを使うべき保育士さん3パターン
ハローワークにはデメリットもありますが、「ハローワークを使うべき保育士さん」もいます。以下がハローワークを使うべき保育士さんのパターンです。
- 求人サイトや転職エージェントでは求人が見つからなかった人
- 保育業界以外に転職したい人
- 平日にハローワークへ行ける人
求人サイトや転職エージェントでは求人が見つからなかった人
求人サイトや転職エージェントを使ったけと、求人が見つからなかったよ…
求人が見つからない人には、ハローワークの利用がおすすめです。
民間企業が運営する求人サイトや転職エージェントは、地方都市の求人数が少ないことが多いです。
ハローワークの求人数は日本最大なので、民間の求人サイトや転職エージェントでは紹介されなかった地域の求人が見つかる可能性があります。
都市部の求人を探している場合は、求人サイトや転職エージェントを利用した方がいいです。都市部は求人数が多すぎるため、求人が厳選されている求人サイトや転職エージェントの方が良い求人を見つけやすいからです。
求人の探し方は以下の記事で解説しています。
【保育士の転職】おすすめの求人の探し方5選|失敗しない方法を業界のプロが解説
保育業界以外に転職したい人
保育業界以外に転職したい人にはハローワークの利用が特におすすめです。理由は以下のとおりです。
- 求人数が多く、保育士以外の求人も豊富
- 職業訓練などの他業界への転職に役立つサービスを無料で受けられる
保育業界以外に転職する場合、新しいスキルが必要になることが多いです。ハローワークの職業訓練を利用することで、無料で必要なスキルを身につけられます。
職業訓練の詳細は以下で確認できます。
あなたのしごと探しに、役立つスキルを。ハロトレ特設サイト|厚生労働省
平日にハローワークへ行ける人
ハローワークを利用できるのは基本的に平日です。そのため、平日にハローワークへ行ける人は、無料サービスを使い倒して転職するのがおすすめです。
保育業界以外に転職したい人で、平日に時間を取れる人は職業訓練の活用がおすすめです。
ハローワーク活用術|登録方法
ハローワークの登録方法は以下の3ステップです。
- 申込情報をオンラインで登録する
- ハローワークへ行く
- 受付票(ハローワークカード)を発行してもらう
順番に解説します。
申込情報をオンラインで登録する
まずはハローワークに行く前に、申込情報をオンラインで登録しておきます。紙の書類での申込も可能ですが、より便利なオンライン登録がおすすめです。
パソコン・スマートフォンが使える人は、オンライン登録がおすすめです。
登録に必要な情報は以下のとおりです。
- 基本情報(氏名・住所・連絡先など)
- 求職情報提供(求職情報を事業者に公開するか)
- 希望職種・時間など
- 希望勤務地・賃金など
- 学歴・資格
- 経歴
オンライン登録は以下のページから行います。
▶︎オンライン登録画面
登録方法は以下のページを確認してください。
▶︎オンライン登録方法
オンライン登録には問い合わせ窓口が用意されています。うまく登録できない場合は活用しましょう。
▶︎電話でのお問い合わせ
出典:ハローワークインターネットサービスホームページ
電話番号:0570-077450
受付日時:月曜~金曜 9:30~18:00(年末年始、祝日除く)
▶︎メールでのお問い合わせ
E-mail:helpdesk@hd.hellowork.mhlw.go.jp
登録画面は正直わかりにくいです。うまくいかない場合は問い合せましょう。
オンライン登録が完了すると、インターネットで求人検索などができるようになります。
ただし、オンライン登録が完了しただけでは一部の機能が使えないため、実際にハローワークへ行く必要があります。ハローワークに行くことで、オンラインサービスのすべての機能が利用できるようになります。
▶︎紙の書類で申し込む方法
用紙に手書きで記入する場合は、以下の2パターンになります。
- ハローワークへ行き、その場で用紙に記入する
- 事前に用紙を印刷し、記入したものを持参する
用紙は以下からダウンロードできます。
▶︎求人申込書
求人申込書の書き方は以下で確認できます。
▶︎求人申込書の書き方
ハローワークへ行く
申込情報をオンラインで登録したら、実際にハローワークの相談窓口へ行き「来所登録者」へ登録を変更したいことを伝えます。
求人申込書に手書きで記入した方は、相談窓口に求職申込書を提出します。
最寄りのハローワークは以下で検索できます。
▶︎全国ハローワークの所在案内
ハローワークの利用時間は8:30~17:15(平日のみ)です。まれに利用時間を延長しているところもあります。この時間に行くのが難しい場合は、訪問するハローワークの利用時間を確認しましょう。
ハローワークに行くときは私服でOKです。
ハローワークカード(受付票)を発行してもらう
登録が完了したら、窓口の職員から「ハローワークカード(受付票)」をもらえます。ハローワークカードは、窓口での職業相談や求人紹介の際に必要になります。
ハローワークカードを受け取ったら登録手続きは完了です。
ハローワーク活用術|求人の探し方
ハローワークで求人を探す方法は以下の2つです。
- ハローワークで求人を探す
- オンラインで求人を探す
はじめて求人を探す方は、ハローワークで担当職員に相談しながら探すことをおすすめします。
ハローワークで求人を探す
ハローワークには「求人端末」と呼ばれるパソコンがあり、この「求人端末」を使って求人を探します。「求人端末」は基本的には自由に利用できますが、混雑時には時間制限がかかることもあります。
オンラインで求人を探す
ハローワークのオンラインサービスを利用して求人を検索することも可能です。
2021年9月21日から、新たに「オンラインハローワーク紹介」が使えるようになりました。オンラインハローワーク紹介は、ハローワークがあなたに合った求人をマイページに送ってくれるサービスです。
保育園の選び方は以下の記事で解説しているので参考にしてください。
【永久保存版】保育士が転職すべき保育園の選び方【プロが教える13のチェックポイント】
ハローワークの使い方まとめ
ハローワークは、厚生労働省が設置する公共職業安定所です。ハローワークでは以下のサービスを提供しています。
- 転職のサポート
- 他業界への転職サポート
- 給付金の手続き
ハローワークのメリット・デメリットは以下のとおりです。
ハローワークを利用するメリット | ハローワークを利用するデメリット |
---|---|
求人数が圧倒的に多い | 求人の質のバラつきが大きい |
転職のサポートを受けられる | 使い勝手が悪い |
無料で登録・利用できる | 受け身では結果が出ない |
ハローワークを使うべき保育士さんは以下のとおりです。
- 求人サイトや転職エージェントでは求人が見つからなかった人
- 保育業界以外に転職したい人
- 平日にハローワークに行ける人
該当しない方は、転職エージェントの利用がおすすめです。おすすめの転職エージェントは以下の記事で解説しています。